中村信仁 公式ウェブサイト
心が技術を越えない限り、決して技術は生かされない。

落とし文(おとしぶみ)

オトシブミなる昆虫がいる。
葉を丸めて巻物状にすることからこの名がついたらしい。
なぜか?
万葉の昔から、公然と言えないことや秘かに思う恋心を手紙にしたため、伝えたい人の近くに落として拾わせた置手紙のことを「落とし文)といったらしい。
その落とし文のように葉を丸めることから、その昆虫をオトシブミと呼ぶとのこと。
昔の人の感性の面白さに頭が下がります。
感謝の気持ち、喜び、伝えたいおもい……、今では簡単にインターネットのあらゆるアプリで瞬時に伝えられます。
落とし文は古(いにしえ)の知恵。
現代は知恵などもちいらずとも、他人に内緒のやり取りが簡単にできる。
簡単すぎるが故に、出会いや別れが軽くなり始めたのだろうか。そして逆に簡単すぎるが故に、奇妙に執着する者が現れだしたのだろうか。

 

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